中国に留学していたときのことです。中華料理も、意外と毎日食べれるものだと気づいて、学校回りのいろんな食堂を食べ歩いたり、時にはご飯におかずをこんもりのせてくれる簡単なお弁当を屋台で買ったりしていました。だいぶ慣れてきたと思った頃、友達が日系のスーパーで行列になっているというあんパンをお土産に買ってきてくれました。日系のスーパーは、バスや自転車で行く距離なので、なかなか頻繁には行けません。そのあんパンのおいしいこと、おいしいこと。中国のパン屋さんにもあんパンはあったのですが、中身がすかすかだったり、あんこが焦げているのか変な味がしたり、満足のいくものには出合えませんでした。日本では、あんパンなんて全然選択肢に入らない、年寄り向きの食べ物くらいに思っていたので、衝撃を受けました。日系のスーパーなのに、良心価格で1個1元(当時14円くらい)だったのも、学生にとってはありがたいものでした。その日以来、あんパンを食べて、また頑張ろうという気になり、いつしか、心の支えとなっていました。たまに行っては日本人の友達に配ったり、またもらったりしていましたが、他の国の留学生にも好評でした。心が沈むときにはあんパンを食べてまた元気になって、皆で留学生活を乗りきることができました。